駐車場シェアリングサービスを表す言葉「民駐」が 広がりを見せています

akippaのように、自分が使わない時間帯の自宅などの駐車場を有料で貸し出すサービスが、ようやく一般家庭にも広がりを見せ始めています。特に利用経験がある方からのアプローチが盛んで、この数カ月ほどの間の申し込みが急増しているのもその傾向です。

最近の傾向として、お問い合わせや申し込みの際に、ご提供者と連絡をしていると、これまで「akippaさん」とか「シェアリングサービス」と表現が一定しなかったのが、「民駐」と言われることが一気に増えたことです。

確かに「民泊」という表現がありますが、それに準えて「民駐」という表現はとても分かり易いように思えます。

これについて、最近の東京新聞で関係の記事が出ていました。なるほど、最近の申し込みの急増地域が圧倒的に東京、神奈川であるのは、こうしたことも影響しているのかも知れません。以下に簡単に9月12日の同新聞の記事内容をご紹介します。

■気軽に貸せて
「民泊はハードルが高いが、駐車場の貸し出しなら利用者と顔を合わせる必要もない」。東京都世田谷区の鎌田正明さん(62)は普段使わない自宅の一台分の駐車スペースを駐車場シェア大手、アキッパ(大阪市)に登録した理由を話す。

過去に鎌田さんの駐車場を利用したのは買い物に行く家族連れや、近くで仕事があった工務店や造園業者ら。コイン式駐車場と違い、契約した時間帯に車を何度出し入れしても料金は変わらないなど、使い勝手の良さが受けている。鎌田さんは「平均収入は月一万五千~二万円。生活費の足しとしては十分で、満足です」と語った。

最近は子供の独立や運転免許証の返納を機に自宅の駐車場を使わなくなる高齢者が増加。精算機や車止めの設置費がいらないことも普及の要因になっている。

なるほど、まとまった文章です。場所にもよるでしょうが、月一万五千円~二万円は「民駐」の1スペースだとしたら、少なくはないかも知れません。東京新聞記事をもう少し読んでみると料金のことがでてきます。

■料金安く
ではシェア駐車場の使い勝手はどうか。日曜日の東京・池袋で試した。スマートフォンでアキッパのサイトを探し「池袋」で検索。「満足度」など利用者の評価を比べ近くのマンション駐車場の利用を決めた。会員登録し、借りる日時などを入力すれば予約完了だ。

駐車場の場所はスマホ上に地図と写真入りで紹介されており、迷うことなく見つかった。現地で所有者が待つわけでもない。ただ他人の駐車場を使うのは不思議な気分。門扉を開け、壁に接触しないよう慎重に車を止めた。

料金は平日・休日とも一日最大千八十円。周辺の時間貸し駐車場は日曜・祝日千四百円、平日二千六百円が相場でシェア駐車場の方が安い。支払いはクレジットカードかスマホの通話料と一緒に支払うかを選べる。アキッパは三十日前からの予約が可能。開催日に混雑が予想されるコンサート会場などの近くでは事前に予約すると安心だ

これも同様です。平日1日最大が2,600円が1,080円と言うのは価格的に比較にはなりませんが、それが「民駐」の利点の1つでもあります。記事はこう締められています。

 駐車場シェアには時間貸し駐車場のパーク24、三井不動産リアルティ(東京)などが参入。近くソフトバンクも加わる。一方で楽天は五月に撤退。業者間で駐車場の奪い合いが起きており、競争が激化している。

これには説明が必要です。まずパーク24や三井不動産リアルティなどの参入に関しては、はっきり言って本気ではありません。これはちょっと考えれば分かりますが、これらの会社のメインはあくまで一般的なコインパーキングです。シェアリングサービスの発想では、これらの企業が過剰に費用をかけることで、コインパーキング価格が過剰に上昇すると考えますので、逆に言えばこれらの企業が自らの収益を減らす要因であるシェアリングサービスに本気で参入することはありません。

事実、一括借り上げをしているオーナーの質問には「あれは一種の同調で、当社はあくまで従来の事業を推進します」と答えているようです。

超大手で、何でもできると考えるソフトバンクや楽天(すでに撤退)については、いずれトーンダウンして、撤退の道を歩むでしょう。なぜなら理由は2つ。

  1. 「民駐」はこれらの企業の感覚では、収益が低い。つまり儲からんから止めることになる。
  2. 仕組みがすべて他人任せ。自社で真剣に取り組む熱意はないこと。

「他人任せ」とは、スペースの提供者や、予約利用者、或いは運営システムを代行する企業の責任を分散させる方法ですので、なにかあっても「わしゃ知らん」を決め込む体質となるという意味です。

シェアリング社会は、ぼったくりや市場独占を許さないものに変化しています。その意味ではとくに「民駐」はその最も傾向が顕著なジャンルです。つまり、提供する人が運営して、利用して、収益を上げるの3つに関わってくるシステムということです。

「民駐」と言う言葉が広がりを見せた時期と、申し込みが急増した時期が合致したのは、偶然なのか、必然なのか。しかし実感として「シェアリング社会」への理解が、徐々に意識が広がり始めているのは肌で感じます。

 

引用:https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/CK2018091202000144.html