なぜ、駐車場シェアリングはakippa以外は難航するのか

都市部では駐車場不足が深刻化していると言います。一方、都市部で土地を相続した方の多くは利用する予定や方法を持たないので、次々に駐車場事業に乗り出しているとも言います。しかし私はこれらのニュースは“フェイク”とは言いませんが、特定の意図を持って流布されているものだと感じています。

昨年7月ソフトバンクが事業参入を発表されました。あのソフトバンクが鳴り物入りで参入してきたのですから、斬新なアイデアが盛り込まれているかと思いましたが、基本的な部分はNTTドコモとなんら変わらず、所詮と言ってはなんですが駐車場事業者むけにIoTを活用したシステムを貸し出して、利用者に予約や決済が可能な専用アプリを提供するスタイルに過ぎません。これほど正面切って、最初から“ええとこ取り”をしようとすると、なかなか受け入れられるものではないでしょう。

それ以外には、駐車場を貸したい人と借りたい人をネットで仲介するサービスモデルのシェアリングサービスも盛んで、akippa以外にもB-Timesや軒先など、一時は雨後の竹の子のようにできましたが、現在はそのほとんどが撤退や事実上存在しているだけの状態になっています。

平成26年にこのスタイルでシェアリングサービス業に進出した「akippa」は、現在会員数も100万人を一気に超え、累計の駐車場数もコインパーキング大手企業を抜き、業界最大手となっています。しかしakippaは業界最大手に躍り出たのですが、実はそれを追従できる2番手がないのです。ではなぜ、同じような仕組みで運営されている駐車場シェアリングサービスにこれほどの違いが生じるのでしょうか。

駐車場シェアリングサービスのポイントは“予約を希望する会員数”と“駐車スペースをご提供される個所数”です。これを増やすことが成功の鍵になります。しかし、akippa以外の企業は、この部分を“システムが代行してくれる”と考えています。その点では、先のソフトバンクの例にもあげましたが、IoTが持っている長所をフルに活用しようとしているのでしょうが、実はことはそれほど簡単なことではないのです。

akippaのようにクレジットカード登録をしてくれる予約希望者や、使いやすいサイト、スペース提供者を確保するのは、実は至難の業と言えます。

akippaはもともと営業代行会社からスタートしていますから、まずその点をしっかり把握できていたのでしょう。ですので“そのためには、なにをするのが効果的か”という視点があったため、同じようにスタートを切ったとしても実質上、独占企業のような立ち位置であったのだと思います。

畢竟、“予約を希望する会員数”と“駐車スペースをご提供される個所数”の利益を最優先する視点。つまりは“ええとこ取り”をしようとしなかったことが、追従を許さない立場になれた直接の原因になったと思います。

いくら時代がIoT社会と言っても、一部の企業モデルを別にしてお客様のハートを掴むには、お客様の利益を最優先する姿勢が重要だということになるのではないでしょうか。